敢えて昨日の試合を振り返る

まずは祝辞から入るのが筋というものだろう。
名古屋グランパス公式サイト
関係者の皆さん、サポーターの皆さん、Jリーグ初制覇おめでとうございます。
天皇杯と来シーズンは勝たせないからな!

さて、名古屋が優勝したということは我らが鹿島アントラーズのチャンピオンシップへの挑戦も終了したということ。残り3試合は2位*1確保に向けて全力を尽くしてもらいたいです。
とはいえ、そうそう簡単に切り替えられるわけもなく、昨日の試合終了後は鹿島サポーターのコメントもシーズンを振り返るものが大半でした。そりゃそうだ。
へそ曲がりとしてはそれなら敢えて昨日の試合を振り返ってやろうというものです。

鹿島の布陣はここのところ多用されてる4-2-3-1のワントップ・スリーシャドー。トップには興梠が入りその下に遠藤、フェリペ、野沢が並ぶ。本山はベンチスタート、マルキーニョスはベンチ外。
結果から言えばこの布陣は完全に不発だった。興梠は高くアグレッシブな神戸のDFラインに押し込まれ、ゼロトップに近い状態にされる。コンパクトにさせられた中盤でボールをキープできず、DFラインの裏にボールを出すこともままならない。
逆に神戸は朴康造や小川の飛び出しが機能していた。特に小川は新井場をスピードで振り切るなど大活躍だった。
前半はほぼがっぷり四つの内容。徐々に鹿島がペースをつかみつつあったが、それでもどちらに転ぶか全くわからない展開で前半を終えた。

後半は開始早々、興梠がDFの裏に抜け出すもシュートは枠を外れる。たらればを言い出すと限が無いが、これが決まっていればと思わざるを得ないビッグチャンスだった。
後半20分に遠藤に代えて大迫を投入し、2トップに変更。ここから急にボールの回りが良くなる。ターゲットが2つになることで、神戸のCB二人が鹿島の2列目以降にかかる圧力が少なくなったのだと思われる。その後、37分にフェリペ→佐々木、ロスタイムに野沢→本山とカードを切る。
鹿島が押しこみ神戸がカウンターを繰り出す展開が続くも、両チームとも決めきれずスコアレスドローに終わる。
岡田主審の笛と共にピッチ上のほぼすべての選手が下を向いたことが印象的だった。

おそらくはオリベイラの想像以上に神戸DFは強く来たのだろう。ワントップでは鹿島”自慢の”中盤が全く仕事させてもらえなかった。こういう時にはロングフィードをDFとGKの間に落としたり、無理目でもロングシュートを打つなどの工夫が欲しかった。選手のインテリジェンスの問題なのか、監督が何らかの指示をだしていたのかはわからないが、もう少しやり様はあったと思う。実際、ツートップにしてからはボールが回るようになったのだし。
毎度問題視されるジウトンの守備だが、昨日の試合に限って言えば、新井場のほうがピンチの芽になっていた。マッチアップした神戸31番小川が大変良かったことを割り引いても、攻守にわたり精彩を欠いていたと言わざるをえない。
あと、選手交代のタイミングが遅かったのも気になるところ。たしかに悪くない状態で動くのは勇気がいるが、今シーズンはこういう試合が何試合もあった。ある意味今シーズンを象徴するゲームだったということなのだろう。
これがシーズン序盤〜中盤ならばアウエーでもあるしナイスゲームだったと思える熱戦ではあったが、時期が時期だけに徒労感ばかりが残った。
だが、幸いなことに我々にはまだ天皇杯のチャンスが残っている。しかも次の対戦相手はリーグチャンピオンだ。このもやもやをぶつけるのにこれほど相応しい相手はない。サッカーの神様に感謝しつつこの項を終わる。

*1:と、準優勝賞金