みんな社会が悪いのか？
id:Leiermann氏が書かれた記事を読んで少なからず思うことがあった。先様のコメント欄に書くにはちょっと長くなりそうなのでこちらに書くことにした。該当記事はhttp://d.hatena.ne.jp/Leiermann/20060112/p1である。
ファッションが社会からの脅迫になっているとid:Leiermann氏はお考えのようだが、それは妄想的過ぎやしないか。ありもしない「仮想敵」｢仮想悪｣を作り上げ共同幻想の中でその身を守ろうとしている、そのように見えてしまう。これはid:Leiermann氏に対してのみ感じることではないのだが。
ファッションが、「社会的強迫」として、誰しもが興味を「持つべき」ものとして扱われている
http://d.hatena.ne.jp/Leiermann/20060112/p1 コメント欄より
という主旨の記述がちょくちょく見られる。そしてしばしば社会をファッション・ファシズムと見做し、｢それは当たり前のことではないから、それを押し付けないでくれ｣と続く。ファッション・ファシズムに身を置くものにすればそれこそ空気のように自然な考えだから、それに異を唱えるなどとは諸君には思いもつかないだろう。しかし自分たちは違う、そのようには考えない。われわれの存在を認めようとしない諸君は、そして諸君の所属する社会は悪だ。悪は正されねばならない。正義は我らと共にある。･･･なんだか今にもテロが起きそうだ。
かなり誇張して書いたが｢善意のファシスト｣からはこのように見えている。そしてふと思う。｢俺らそんなことしたっけ？｣
ファシズムという奴は無意識レベルに食い込んで作動するので性質が悪い。それはわかった上であえて書く。
｢気にし過ぎじゃないですか？社会的脅迫だなんて妄想ですよ。｣
押し付けるつもりなんてない。が、価値観が違うのなら、ただ線を引く。それだけだ。
興味のない情報が溢れているのを見て疎外感を感じるのはわかるけど、それは社会が悪いのか？趣味が被らないグループに関心を払わないのは、そんなに非難されることなのか？そういう傾向はむしろオタクやマニアの方が強いだろう。
id:Leiermann氏はある事件を引き合いに出して脅迫の構図を見ていたが、僕には｢社会が悪である｣という結論に無理やり合わせたようにしか思えない。遊ぶ金欲しさに、なんてそれこそ太古の昔からある動機だ。今に始まったことじゃない。
この「モデル」事件の加害者は、決して下手人ばかりではないのだ。ファッションの加熱に荷担している者全てが、何らかの形で道義的な責めを負うべきであろう。
http://d.hatena.ne.jp/Leiermann/20060112/p1
いやだね、そんな身に覚えのない責任なんか被せられてたまるか。
敵を悪者にしたって何も変わらない。いや、そもそも敵なんて存在しない。
もう一度書く。あなた方は、ありもしない「仮想敵」｢仮想悪｣を作り上げ共同幻想の中でその身を守ろうとしているのではないですか？
